手袋ができるまで
「寝るときかかない手袋」を作ることになった最初のきっかけは、寝るときに爪でかき壊さないよう、綿手袋をして寝てみたことでした。
この方法は手袋さえきちんとつけていれば、かき壊しの軽減には役に立ったのですが、寝ている間に手袋が取れてしまうことが多く、なかなか思ったようにかき壊しを防ぐことができませんでした。
そこで考えたのが手袋が取れないように医療用の紙テープで固定する方法です。この方法だとしっかり固定することはできるのですが、いちいち紙テープで手袋を固定するのが面倒でした。手袋をした後にトイレに行きたくなると、紙テープを破って手袋をはずすため、また、全部やり直しになってしまいます。
次に考えたのは紙テープの代わりにベルトで手袋を固定する方法でした。
ベルトにマジックテープを付け、プラスチックのベルト送りを使って簡単にサイズ調整と着脱ができるようにしてみました。
このベルトは使いやすく効果的でした。簡単に着脱できるので紙テープの時のような問題は無くなりました。
ベルトを使う方法は効果的だったのですが、いろいろと使っていると改善したい点が出てきました。
最初に使った手袋は普通の5本指の綿手袋だったのですが、5本指の手袋だと指一本一本に圧迫感があって、夜寝てる時に無意識に手袋を取り外してしまうことが多かったのです。
また、普通の手袋の上からベルトで締め付けるだけのため、一度取り外すと手袋とベルトが分離してしまい、些細なことではありますが、手袋をしてベルトに手を通し、再度ベルトを締め付けるという動作が面倒でした。できれば、手袋とベルトはくっついていて、手袋をつける動作とベルトに手を通す動作が一度にできた方がいいと考えました。
そこで、それらの問題点を解決するために、手袋自体も自作することにしました。
指に圧迫感が無いように手袋本体はミトンタイプとし、ベルトと手袋が分離しないように手袋にベルトを通すベルトループをつけました。
こうして試作されたのが「寝るときかかない手袋 試作1号」になります。
試作1号は使いやすく、寝ている時のかき壊し軽減にも十分な効果がありました。
この試作1号の手袋自体には満足していたのですが、せっかく試行錯誤して作った手袋だったので、ぜひ、同じようにかき壊しで困っている人達にも使ってもらいたいと思うようになりました。
この段階で初めて「寝るときかかない手袋」の販売をしようと決意しました。
試作1号からより量産しやすいように考えて作られたのが「寝るときかかない手袋 試作2号」になります。1号からの変更点としてはベルトの素材を量産しやすいように変更したのと、試作1号が大きすぎたため量産にあたって大きさをコンパクトにしました。
同じ量産用に試作した「寝るときかかない手袋 試作3号」です。手袋本体とベルトの素材が若干変わっています。
試作3号でかなり満足のいく出来栄えだったのですが、開発が冬だったため夏の暑さのことを考えていませんでした。試作1~3号では生地が厚いため、暑い夏の夜は非常に不快感があるのが分かりました。
そこで、大幅に生地を変更した「寝るときかかない手袋 試作4号」を製作しました。
試作4号は裏地と手袋本体の肌にあたる部分を綿スムース・ニット生地を使って通気性と肌触りをよくしました。
試作4号は綿スムース・ニット生地の色が白で汚れが目立つため、最終量産品は薄いベージュ系の色に変更しました。これが、現在「かかない.jp」で販売している「寝るときかかない手袋」の製品となっています。
「かかない.jp」では今後も「寝るときかかない手袋」の改良に力をいれ、かき壊しで困ってる人たちの役に立てるようがんばっていきたいと考えています。